山芋は存在しない?美容と健康にいい様々な顔を持つヤマノイモ
突然ですが、皆さんは山芋と長芋の違いを説明できるでしょうか?私はできませんでした!
今回は、お米の歴史よりも長い山芋・長いもについてご紹介します。
山芋という芋はない?
正式には山芋という芋はないのです!正式にはヤマノイモ科という種類の芋で、それが山芋と呼ばれたり、自然薯、長芋と呼ばれたりしています。地域によっては大和芋とか、つくね芋、銀杏芋、とろろ芋と呼んでいるところがあるようで、呼び方には違いがあるようです。
山芋:ヤマノイモ科ヤマノイモ
長芋:ヤマノイモ科ナガイモ
山芋と長芋は実は違っていて、山芋は日本が原産で、長芋は中国が原産と言われています。現在生産されているヤマノイモ科の7割が長芋です。
味にも違いがあります。
山芋は粘り気が強く、すりおろしたときに箸ですくえますが、長芋は水分が多いので箸ですくうことはできません。
山芋は旨味が凝縮していて香りが強く、お蕎麦などと一緒に食べても負けることがありません。
長芋はすりおろしてとろろにしてもおいしいですが、どちらかと言えば、すりおろさずに、切ってサクサクとした食感を楽しむほうが向いています。
旬は11月~1月です。
ヤマノイモ科は生で食べることができる珍しい芋
ヤマノイモ科の芋はご存じの通り、生の芋をすりおろして食べます。生で食べることができる、世界でも珍しい芋なのですね。
ジアスターゼ(アミラーゼ)という消化酵素を含んでおり、それによりでんぷんの一部が分解されるため、生で食べても問題がありません。
すりおろすときは目の細かいすり鉢やおろし金を使用すると舌触りがなめらかになり、さらにアミラーゼの働きも良くなり、消化が促進されます。
ヤマノイモ科の芋にはシュウ酸カルシウムが含まれていて、触るとかゆみを帯びることがあります。一時的なものなので心配はありませんが、水で洗ってもかゆみが取れない場合は、水で薄めたお酢で洗うことでかゆみは治まります。
調理次第で触感が変わる楽しい芋
生で食べることもできますが、火を入れることによってホクホク食感に変わり、すりおろしたものに火を入れることでふわふわの食感になります。
輪切りにしてソテーにしてもいいですし、すりおろしたものをお好み焼きやグラタンに入れるとふわふわ触感の一品が出来上がります。
米の歴史より長い山芋の歴史
山芋は日本ではお米が作られる前から食べられていました。
ヤマノイモは日本が原産で、北海道から沖縄まで分布しています。山へ行って掘ってくるものだったのでヤマノイモと呼ばれ、収穫するのはとても忍耐のいる作業です。山芋はとても長い芋なので、掘り出す行為が山の斜面の崩壊をさせる可能性があるということで、山芋掘りを禁止している地域もあります。
山芋は薬としても食べられています
上記で説明した通り、山芋は消化促進効果があり、疲労回復に効果があったり、滋養強壮効果があります。
中国では漢方に配合されていることもあり、山薬と呼ばれています。山薬には強精、強壮、鎮静、解熱などの効果があり、夏バテや冷えによる疾患や、痩せて元気がないときに食べるといいとされています。
また、ねばねば成分はムチンという栄養素で、粘膜やお肌を健康に保つ効果があり、保湿作用のあるアルギニンも含まれているのでお肌を美しくしてくれる作用があります。
山芋の保存方法
山芋は新聞紙にくるんで涼しく風通しのいいところに保管しましょう。切り分けた場合、切ったところの色が変化するので、変色しないようにピチっとラップをして冷蔵保管です。すりおろしたものも切り分けたものも、冷凍保管可能ですよ。
体にいい山芋・長芋を食べよう!
調べれば調べるほど奥の深いヤマノイモ。おいしくて健康にもいいので積極的に摂取していきたいですね!
皆さんはどんなアレンジ料理に挑戦したいですか?
Vave で紹介している山芋料理はこちら。
(画像はシャキシャキねばねば、山葵ぐるぐるアンチエイジング食の長芋とわさび)